子供のごはん第3回:離乳食の「お魚の煮つけ」の作り方を料亭の主人が教えます!
離乳食の3回目。
おかゆ、お出汁の次は、いよいよ食べるものに挑戦しましょう。
前回、お出汁の中に入れた小蕪を溶くやり方も紹介しましたが、本格的に食べるものを作るのは今回が初めてですね。
紹介するのは「お魚の煮つけ」です。
煮つけといっても柔らかく火を通す方法です。
いつも食べているイメージの煮つけのように味付けすることはありません。
離乳食におすすめのやり方です。
離乳食のお魚の煮つけの作り方
お魚は何でも良いのですが、今回は白身魚の代表でもある「鯛」を使う想定でご紹介していきます。
普段お料理をされない方でも簡単に作れるので、ぜひチャレンジしてみてください。
お魚の煮つけのレシピ
【用意するもの】
鯛の切り身 2~3枚 ※できれば天然もの
鰹出汁
酒 ※くさみをとるため
- お湯を沸かします(たっぷりめ)。
- 沸いたら85度くらいになるまで水を入れ、切り身をくぐらせます。
いわゆる「霜降り」です。
火を完全に通さず、表面が白くなればOK。 - 霜降りができれば、水か氷水に落として冷やします。
- 水から切り身を引き上げ、クッキングペーパーなどで水気を切ります。
- 鰹出汁を鍋に入れて沸かします。
- 沸いた出汁に酒を数滴入れます。
※臭みをとるためなのでなくても構いません - 鍋の火を切り、切り身を入れます。
- 温度計で測り、75~85度に調整します。
低ければ火をつけてください。 - 1~2分たてばできあがり。
ワイヤーママの6月号に掲載されています
こちらのコラムは、ワイヤーママの5月号に掲載されています。
今後も特集としてさまざまな「子どものごはん」についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
ゆでる温度でおいしさが大きく変わる!
今回のポイントは75~85度で火を通すこと。
柔らかく仕上がるのはもちろんですが、85度を超えると魚の組織細胞が壊れていき、旨味が逃げ出してしまいます。
だから、魚で出汁をとるときは高い温度の方が良いのですが、煮つけをおいしくいただくなら85度以下を保つように茹でるのがポイントです。
うまく85度以下で煮ることができれば茹でたお湯が透明なままになります。
85度を超えると白く濁ってしまうので参考にしてみてください。
霜降りをすることでおいしくなる!
魚をお湯にサッと通したり、お湯をかけたりする「霜降り」は、下ごしらえの一種。
素材の表面だけが白っぽくなり、まるで霜が降りたように見えることから霜降りと呼ばれるようになったそうです。
この霜降りをすることで臭みはもちろん、ぬめりや余分な脂質などを取り除くことができます。
煮物をする時は煮汁に雑味が出にくく、すっきりと仕上がるので、面倒くさがらずに取り入れるのがおすすめです。
赤ちゃんに魚の煮つけを食べさせて良い時期は?
離乳食7ヵ月目くらいになるまでは、さまざまな出汁で味を教えていきます。
固形物を少しずつ食べさせていくのは7~8ヶ月目くらいからがおすすめ。
舌と上あごですりつぶしながら食べていくので、最初は食べやすいものから少しずつ慣らしていきましょう。
9ヶ月目くらいになると母乳から食べ物にスイッチし、食事も1日3回のリズムになります。
魚の煮つけをあげるなら、最初はこまかくほぐして食べやすくしてあげましょう。
離乳食にスイッチする頃になるとひと口大にするなど、少しずつ大きさも変化させていくのがおすすめです。
- 離乳食初期(5~6ヶ月):昆布や野菜、きのこなど植物系の出汁
- 離乳食中期(6~7ヶ月):カツオや煮干しなど動物系の出汁
- 離乳食中期(7~8ヶ月):魚や肉、野菜やおかゆ、ヨーグルトなど
- 離乳食後期(9~11ヶ月):ごはんや野菜、肉や魚など
味付けは不要!ぜひ試してみてください
いかがでしたか?
毎回言っていますが、調味料などでの味付けは不要です。
赤ちゃんの味覚センサーは大人の3倍。
素材そのものの味でも十分おいしく食べてくれます。
その分ひと手間をしっかりとしてあげることが、赤ちゃんにとって一番の調味料。
素材の味や食感で美味しさを感じてもらえるように、霜降りと温度管理を徹底しましょう。
味付けが苦手という方でも簡単に作れるので、ぜひ試してみてください。