子供のごはん第2回:離乳食の「かぶのお出汁」の作り方を料亭の主人が教えます!
前回のおかゆ、試していただけましたでしょうか?
引き続き、赤ちゃんの離乳食としておすすめのものをご紹介していきます。
今回は「お出汁」。
鰹出汁をベースにした、かぶのお出汁の作り方になります。
「いつごろからあげても大丈夫?」
「味付けはしても良いの?」
「作るときの注意点は?」
といった疑問にも詳しくお答えしていきますので、ぜひ参考にしてみてください。
かぶのお出汁の作り方
まずはかぶのお出汁のレシピをご紹介します。
材料の総量はご家庭の人数や作る量によって異なりますが、用意するものの割合や調理手順などは同じです。
難しいものではないので、身構えず気楽にチャレンジしてみてください。
かぶのお出汁のレシピ
【用意するもの】
水600cc
昆布5g
かつお節20g
小かぶ1個
※かつお節は、血合いなしのものがが良いです
- 水に昆布を入れ、沸かします。
- 沸いたらかつお節を入れて煮出します。濁りがなくなるまで。
お湯が対流するぐらいの火加減で煮出し、クッキングペーパーなどで漉してください。
★この出汁を使ってかぶを炊き、かぶのお出汁を作ります。 - 小かぶを六つに切って皮を厚く剝きます。
- かつお出汁にかぶを入れます。
- 火にかけ、沸いたら弱火にします。
- スプーンなどで押すとつぶれるくらいになるまで炊きます。
- 漉し器で漉して、出汁に溶いたらできあがり!
ワイヤーママの4月号に掲載されています
こちらのコラムは、ワイヤーママの4月号に掲載されています。
今後も特集としてさまざまな「子どものごはん」についてご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
赤ちゃんに出汁を飲ませてよい時期は?
離乳食として、赤ちゃんに出汁をあたえる時期は「何から出汁をとるか」によっても少し変わります。
- 離乳食初期(5~6ヶ月):昆布や野菜、きのこなど植物系の出汁
- 離乳食中期(6~7ヶ月):カツオや煮干しなど動物系の出汁
最初はかぶを漉したものではなく、出汁だけをあげ、少しずつ量を増やしていくことをおすすめします。
かぶの出汁をあげる前に確認しておくこと
離乳食始める時、最初にやっておきたいのが「アレルギーチェック」です。
実は、離乳食には赤ちゃんに食事の練習をさせる以外にも重要な役割があります。
それが、アレルギーチェック。
昆布の出汁は大丈夫?
カツオの出汁は大丈夫?
と、1つひとつ事前に確認しておくと安心して離乳食を食べさせることができるでしょう。
かぶの出汁は6~7ヶ月以降
かぶのお出汁をあげる前に、まずは素材のアレルギーがないかチェックしておいてください。
かぶのお出汁はかつお節の出汁を使うので、離乳食としては中期。
おかゆを炊いたときのお湯や植物系のお出汁に少しずつ慣れてきた頃、まずは出汁から飲ませてあげるのがおすすめです。
食べることに少しずつ慣れてきたら漉し器で漉したかぶも混ぜ、野菜の味も感じさせてあげてください。
赤ちゃんの味覚は大人の3倍?
子供の頃は食べられなかったのに、大人になると美味しく感じられるものってありますよね?
椎茸、ピーマン、にんじん、たけのこ、セロリ、みょうが・・・
ただの好き嫌いなら「大人になると食べられる」という理由が説明できません。
実はこれ、味覚を感じるセンサーが大人よりも子供の方が強いことが原因。
大人で適度な風味を、赤ちゃんは3倍の強さで感じ取っていると言われているんです。
だから、ムリに味付けをしなくても、赤ちゃんは食べ物からその味をしっかりと感じ取っています。
味付けをしてしまうと、かえって味が濃すぎて逆効果になると覚えておきましょう。
出汁は離乳食の味付けにピッタリ
味覚が大人の3倍発達している上、臓器がまだまだ未発達の赤ちゃん。
食べさせるなら、味付けはまったくしないか、薄味のものを食べさせるのが良いと言われています。
「おいしいものを食べさせてあげたい」
と思う気持ちは当然ですが、味が濃くなり過ぎず、赤ちゃんにとっておいしいものを考えると調味料では濃すぎる可能性が高いのです。
そこでおすすめなのが「出汁」ということです。
出汁は、薄味でも料理に「奥深さ」を与えてくれるもの。
かぶのお出汁ひとつとっても、中にかぶ、昆布、かつお節の味が複雑に絡み合っていて、赤ちゃんにとってはそれだけで十分味を感じられるものとなっているのです。
出汁には母乳と同じ「グルタミン酸」が含まれている
出汁に含まれるグルタミン酸といううまみ成分。
実は、母乳にも含まれていて、赤ちゃんが産まれた時から親しんでいるものによく似ています。
だから、余分なものを混ぜなくても自然と赤ちゃんは出汁の味を好んで飲んでくれるようになるはずです。
大人の味にも応用
いかがでしたか?
ここで紹介した基本のお出汁は、赤ちゃんにとって素材の味を感じてもらうのにピッタリなものです。
そして、もちろん、大人にとっても美味しい料理のキホンとなります。
ぜひ参考にしてみてください。